ラスティック体







古代ローマの書物体

 

     

今年のハロウィンカードをラスティック体で描いたので、現代に活かす作品例とともに文字のご紹介を致します。

もう一点はレッスン用テキストとして書いたものです。

 

 

 

ラスティック体は最初の古代ローマの書物体(ブックハンド体)で、もっとも古い書物はBC22年作といわれる「ガルズ・パピルス」が現存します。

 

1世紀には古代ローマ全土で主に書物や公式文書用に用いられました。

碑文に書かれたものもあります。

 

その後6世紀までウェルギリウスなどの古典作品の転写に用いられたと「西洋書体の歴史」にてスタン・ナイトが書いています。

 

 

 

先が平らなカリグラフィーペンで書く文字です。

上部左のカードの例えば、Lの文字にご注目ください。垂直になった文字部分はペン先の角度を45度ほどから垂直までたてセリフ(ひげのような飾りのこと)を書き、書き下ろす際はペン先の角度を垂直から45度程度に書き下ろすという、独特な書き方に特徴があります。

 

なかなか難しいですが、古い文字は美しいですね。

 

 

 

2015.10.31